スイス・リーは、2020年上半期に新型コロナウイルス関連損失準備金の大幅積増を実施したにもかかわらず、業界トップレベルの資本水準を維持

  • 新型コロナウイルスに関連する支払保険金と準備金はグループ全体で25億米ドル、2020年上半期の純損失は11億米ドル
  • 新型コロナウイルス関連の支払保険金と準備金を除いた2020年上半期のグループの純利益は、8億6,500万米ドル
  • スイス・リーは非常に強固な資本水準を維持し、グループのスイス・ソルベンシー・テスト(SST)比率は目標値の220%を上回る
  • 損害再保険事業の純損失は5億1,900万米ドル、新型コロナウイルス関連の損失を除いた純利益と株主資本利益率(ROE)はそれぞれ6億4,600万米ドルと14.9%
  • 2020年7月の損害再保険事業の保険契約更改状況は好調-保険料ボリュームは6%増、自然災害関連事業の料率が大幅に上昇
  • 生命・医療再保険事業の純利益は7,400万米ドル、新型コロナウイルス関連の損失を除いた純利益とROEはそれぞれ5億1,600万米ドルと12.4%
  • コーポレート・ソリューションズの純損失は3億100万米ドル、新型コロナウイルス関連の損失を除いた純利益は8,100万米ドル
  • グループにとって戦略的なマイルストーンとなるReAssure社のPhoenix Group Holdings 社への売却が成功裏に完了。ライフ・キャピタルはオープン・ブック事業における保険料の成長を維持
  • 投資収益率(ROI)は3.2%、直接利回りは2.5%と堅調

スイス・リーは、新型コロナウイルス関連の支払保険金と準備金の25億米ドルを計上し、2020年の上半期は11億米ドルの純損失となりました。新型コロナウイルスの影響を除外した場合の同期の純利益は8億6,500万米ドルであり、グループ全体の事業の堅調な実績を反映しています。損害再保険事業は、収益性の高い保険料成長を遂げ、市況の改善を受けて契約更改も好調でした。コーポレート・ソリューションズは順調な回復基調にあります。2020年7月22日に発表したとおり、ReAssure社のPhoenix Groupへの売却手続きが完了し、グループにとって重要な戦略的マイルストーンを達成しました。スイス・リーは業界トップレベルの資本水準を維持しており、2020年7月1日時点におけるグループのSST比率は目標値である220%を上回っています。

スイス・リー・グループの最高経営責任者であるクリスチャン・ムーメンターラーは次のように述べています。「世界中が新型コロナウイルスによる未曾有の危機に直面している今、個人的な不幸に遭遇し、また経済的な不安を抱えている皆さまに心からお見舞い申し上げます。スイス・リーは、世界が危機から回復することを促進するために自らに課された責務に全力を挙げて取り組んでおり、世界中の多くのステークホルダーと協力しながら将来の大規模なシステミックリスクに対するレジリエンスの強化に努めています。

最新の情報に基づいて弊社の事業を慎重に分析し、また現在進行中のパンデミックの不確実性も踏まえた結果、2020年上半期に計上した支払保険金と準備金により、新型コロナウイルス関連の最終的な損失額の大部分をカバーできると予想しています。収益への影響は甚大ですが、管理可能な状態を保っています。スイス・リーの事業は中断することなく好調に推移しており、回復しつつある市場で魅力的な機会を捉えることのできる資本水準を維持しています。」

グループの新型コロナウイルスによる損失の大部分は、既発生未報告損害(IBNR)の準備金が占めています。 パンデミックに関連するいくつかの要因(例えば、将来的な感染率と死亡率、事業活動等に対するパンデミック対策の期間と効果、効果的なワクチンや代替治療法が確立する時期、立法や業規制の推移、保険金の支払責任に関する裁判や仲裁の結果、政府の景気対策の効果、景気後退の影響の深刻度と期間)により、今後の四半期毎の保険支払額は、スイス・リーの予想値に対して上下に変動する可能性があります。   

2020年7月1日時点におけるグループのSST比率は、ReAssure社の売却と新型コロナウイルスによる損失を加味した状態で、目標値の220%を上回っています。株主資本は、2019年末時点の293億米ドルから279億米ドルに減少しています。スイス・リーの簿価は、2020年6月末時点で1株当たり96.65米ドルとなっています。

スイス・リー・グループの最高財務責任者であるジョン・デイシーは次のように述べています。「新型コロナウイルスはいまだ収束の兆しが見られませんが、私たちはグループのエクスポージャーに備えて慎重に対応し、本年度の上半期ですでに多額の準備金を積み上げました。これにより、2020年下半期とそれ以降の見通しが、より確実なものとなります。資本管理に対して規律的に長期的なアプローチを取ってきたこと、また、危機の早い段階でバランスシートを守るための措置を敢行したことで、スイス・リーは非常に強固な資本水準の維持ができています。」

資産運用部門:市場変動への機動的な対応

スイス・リーは、2020年上半期に3.2%という堅調なROIを達成しました。この結果には、債権ポートフォリオからの配当および売却益、ならびにグローバルな市場変動の影響を一部相殺するポートフォリオ・ヘッジのプラス効果が貢献しています。後に格下げやデフォルトに陥った発行体をはじめとする対象エクスポージャーを縮小したことなど、タイムリーな管理措置を取ったことにより、危機の間も変わらずグループの高品質なポートフォリオを維持することができました。直接利回りは、かつてない低金利環境を反映し、前年同期の2.9%から2.5%に低下しました。

損害再保険事業は、収益性の高い堅調な保険料の伸びを計上

新型コロナウイルスによる支払保険金と準備金を除いた損害再保険事業の2020年上半期の純利益は、前年同期の7億7,100万米ドルから6億4,600万米ドルに減少しました。減少の主な要因は、第1四半期に発生した大規模な自然災害による損失と、第2四半期にカルガリーで発生した雹(ひょう)を伴う嵐です。新型コロナウイルスによる影響を除外したROEは、14.9%でした。損害再保険事業は、平準化調整後の[1]2020年通期の予想コンバインド・レシオ97%達成に向けて順調に推移しています。

業績に対する新型コロナウイルス危機関連の支払保険金と準備金の影響は15億米ドルとなりました。これは、物的損害を伴わない事業中断を明示的に保障する保険、イベントの中止または延期に対する保険、賠償責任保険および保証・取引信用保険の損失を反映したものです。これらの損失を加えて、損害再保険事業の米国会計基準の純損失として、5億1,900万米ドルを計上しました。 

正味既経過保険料は、大型取引と自然災害保険事業の伸びとともに、米国とアジアにおける更改の好調も追い風となり、堅調に10%上昇して96億米ドルとなりました。

料率環境の改善により、7月の損害再保険事業の更改は好調に推移

損害再保険事業の2020年上半期の損害保険契約の保険料ボリュームは年初来で6%増の170億米ドルとなり、名目料率は6%増加しました。全体の適正料率は、さらなる低金利と損失想定の大幅な調整をカバーする必要があることを反映して、横ばいでした。7月の契約更改では、スイス・リーは6%のボリューム増加および自然災害事業の大幅な料率上昇を達成しています。

生命・医療再保険事業は、堅調な基礎業績を維持

新型コロナウイルスの損失を除くと、生命・医療再保険事業の2020年上半期の純利益は前年同期の4億5,900万米ドルから5億1,600万米ドルに増加しました。この増加は堅調な投資実績に裏付けられており、ROIは4.1%に達しています。新型コロナウイルスによる損失の影響を除外したROEは12.4%でした。

2020年上半期の新型コロナウイルス関連の支払保険金と準備金は5億4,800万米ドルに上りました。これは、米国と英国における死亡保険金支払額(報告済みおよびIBNR)が予想レベルを上回ったことが主な原因です。新型コロナウイルスの損失を含め、生命・医療再保険事業の上半期の米国会計基準純利益は7,400万米ドルでした。

2020年上半期の正味既経過保険料と手数料収入は、長寿保険契約を含む大型取引に支えられ、6.2%増の67億米ドルとなりました。生命・医療再保険事業は、高成長市場や大型取引で引き続き魅力的な取引機会があるとみています。

コーポレート・ソリューションズは順調に回復

新型コロナウイルスの損失を除くと、コーポレート・ソリューションズは、前年同期の4億300万米ドルの純損失から8,100万米ドルの純利益まで回復しました。新型コロナウイルスの損失を除外したコンバインド・レシオは98.4%でした。

この実績には、2019年に発表した経営改革の効果が現れています。本事業部門は、ポートフォリオ削減計画の約60%をすでに完了し、コスト削減計画の3分の2を達成しています。さらに、保険料率がここ数年上昇していることもあり、2020年上半期の平準化調整後の[1]コンバインド・レシオは101.3%まで低下し、2020年予想の105%を上回っています。

新型コロナウイルスに関連する支払保険金と準備金は、2020年上半期で合計4億8,500万米ドルとなっており、米国会計基準純損失は3億100万米ドルとなりました。損失の約半分は、コーポレート・ソリューションズが2019年に引受を終了した保険種目であるイベント中止に関連する支払保険金と準備金であり、残りは物的損害を伴わない事業中断を明示的に保障する保険と保証・取引信用保険の損失です。

正味既経過保険料は、ポートフォリオの積極的な削減が料率改善によってカバーされ、2.9%減の20億米ドルとなりました。本事業部門は、2020年上半期の料率15%増を受けて、料率改善の勢いは維持されると予想しています。

ライフ・キャピタルは、ReAssure社の売却で戦略的なマイルストーンを達成

ReAssure社のPhoenix Groupへの売却手続きは2020年7月22日、成功裏に完了しました。売却の一環として、スイス・リーは12億英ポンドの現金と13.3%相当のPhoenixの株式を受領しています。これまでの発表のとおり、スイス・リーはライフ・キャピタル事業部門の廃止により法人構造を簡素化します。これは、規制当局の承認を得ることを条件に、2020年末までに完了する予定です。

ライフ・キャピタルは、2020年上半期に2億1,700万米ドルの純損失を計上しました。この損失はPhoenixの株価下落に関連する時価評価の変化が大きく影響したものであり、その一部は幅広い英国株式市場でのヘッジで相殺されています。予想される死亡率の影響を反映させた新型コロナウイルスに関連する損失は、1,300万米ドルと小幅にとどまりました。

正味既経過保険料と手数料収入は、クローズド・ブック取引の手数料収入の減少を受けて前年同期をわずかに下回り、10億米ドルとなりました。為替変動の影響を除くと、オープン・ブック事業の総収入保険料は20%伸びました。スイス・リーのホワイトラベル・デジタル保険プラットフォームのiptiQには、この上半期に新たに7社のパートナーが加わりました。

今後の見通し

スイス・リー・グループの最高経営責任者であるクリスチャン・ムーメンターラーは次のように述べています。「スイス・リーの全事業における年初来の好調な業績を心強く思っています。今後の新型コロナウイルスの損失についてはある程度不確実性が残りますが、グループの未来は明るいと確信しています。規律ある資本管理を徹底することで、私たちは顧客を支援する力強い立場を維持しており、価格環境が改善する中、事業の成長のために資本を投じてまいります。」

1, 2 前年度の準備金の推移と新型コロナウイルスの影響を考慮せず、平均的な大規模自然災害に伴う損失負担を想定しています。
3 この列は参照用であり、新型コロナウイルス関連の支払保険金および準備金やこれらに関連して予想される税務上の影響は除外しています。

スイス・リーについて

スイス・リー・グループは世界のレジリエンス向上を目指し、再保険、保険、その他保険ベースのリスク移転で世界をリードする大手再保険会社です。自然災害および気候変動、また高齢化社会からサイバー犯罪に至るまで、さまざまなリスクの予想と管理を行っています。スイス・リー・グループの目標は、お客様のために新しい機会とソリューションを生み出し、社会のさらなる繁栄と発展を可能にすることです。1863年にスイスのチューリッヒで創業したスイス・リーは、世界約80拠点にて事業を展開しています。大きく3つの事業部門に分かれて運営を行い、それぞれの事業部門がグループ全体の理念に寄与する独立した戦略と目標を掲げています。