再保険特約の免責事由と特別引受

アジア太平洋市場の軟化と世界的な金融危機の影響により、保険会社のリスク許容度および再保険会社の広範囲な特約カバー提供意欲はともに減少しています。

その結果、再保険特約の範囲が縮小し、特約の免責事由をめぐる交渉を助長することになりました。通常、保険会社、再保険会社が求める対象範囲は相反します。今、特約の免責事由と特別引受の重要性について議論することは、2010年1月の契約更改を控え、保険会社と再保険会社が最も望ましい条件で引受を行うために適切といえるでしょう。

特約の免責事由とは?

特約の免責事由は、主に出再者と再保険会社双方の重要なリスク・マネジメント・ツールとして、自動的に特約の対象とすることができない危険状態を決定する際に導入されます。免責事由には次のようなものがあります。

 

  • 保険対象にできないリスクで、個別の引受会社よりも、プール・ベースまたは業界全体での方がより適切に対処できるもの(戦争や原子力リスクなど)
  • 特定の条件を備えた別個の特約の方がより適切に対処できるリスク(火災保険特約に混在するマリン・エクスポージャーなど)
  • 特約の対象となっている主要リスク群から乖離したリスク(主に中小企業の第三者賠償リスクで構成される特約ポートフォリオに混在した単一の専門職業賠償責任リスクは、任意再保険で手当てした方がむしろ適切)
  • 非常に変動が大きいとみなされているリスク(大手会計事務所の専門職業賠償責任など)
  • 特約と任意再保険の双方で引受けることにより過剰な累積を招く可能性のあるリスク(非常に大きな医薬品リスク、大手企業のグローバル・プログラムなど)
  • 再保険料の設定上想定していないため、当該特約の価格適正性に与える影響と料率調整の要否について検討が必要なリスク

 

特別引受 -- 出再者にとってのメリットとは?

特別引受は、特約への自動的な出再には適格でない個別のリスクに対して再保険契約の範囲やサブリミットを拡張する引受行為です。したがって、特約の免責事由に該当するリスクに関しては、特別引受の可否を再保険会社に照会する必要があります。

特約の総限度額やサブリミットを若干超過しているような場合、特別引受は出再者にとって効率的な解決策となります。特約の再保険会社は通常、このような状況では進んで引き受けるため、出再者は別途任意再保険を手当てせずにすみます。

特別引受はまた、出再者と再保険会社の間で重要な知識を共有するインターフェースの役割を果たします。特定のリスクにまつわる対話と情報交換を通じて、出再者は追加データと引受リソースにアクセスすることができ、リスク・アセスメントやポートフォリオ管理への助力になります。

しかし近年、一部の出再者から、特約に制約が多すぎるため特別引受のプロセスに余計に時間がかかることが指摘されています。アジアでは、取り扱う危険種類やリスクが市場によって大きく異なる場合もあります。当社ではこのような状況に鑑み、以下に挙げる独自のアプローチをとるように努めています。

1)より明確な免責事由リストの作成

お客様の要請により、現行の免責事由リストを再検討し、また特別引受の要請が非常に多い、あるいは引受率が高いと思われる案件についても検討します。適切と考えられる場合は、特約の対象範囲を調整し、現行のポートフォリオの背景と長期的な持続可能性を考慮しながら、特別引受の数を削減します。

2)プロセスの合理化

特別引受要請を評価するために必要な、最低限の情報のチェックリストをお客様に提供します。適切な情報を受領した場合、当社はリスク・アセスメントを実施します。必要に応じて、特約に基づいて特定のリスクをカバーするのが適切なのか、あるいは代わりに任意再保険手当てが適切なのかについてお客様と話し合います。追加保険料を条件とする特別引受が頻繁に必要となる契約については、事務負担を軽減するために、追加保険料を期末に一括精算することも考慮します。

このように、当社では、お客様との協力の下、お客様のアンダーライターが見積を行う前に特別引受照会の要否を判断できるように、またお客様と当社のアンダーライター同士が特定のリスクについて直接相談させていただけるように努めています。過去に合意された特別引受については、特約更改の流れを効率化できるように、更改前にいただくアンダーライティング情報に組み込んでいただくようお願いしています。

当社は、特約のお客様への最大限の支援を重視しており、持続的に支援を提供させていただくためには保険対象の透明性を確保し、影響の大きい累積エクスポージャーを適切に管理する必要があると考えています。特約の免責自由と特別引受は、保険会社、再保険会社双方にとって重要なリスク・マネジメント・ツールです。そして、両者にとって最も望ましい再保険引受を実現するためには、このツールを最適化し、お客様および弊社のアンダーライター同士によるリスクについての十分な話し合いが不可欠となります。


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