アジア太平洋地域の医療保障ギャップは2020年に1970億米ドルに達する 可能性

  • アジア太平洋地域の医療費総額は、毎年8.2%の増加が予想され、2020年までに2兆7000億米ドルに達する見込み。  
  • 同地域の医療費は2020年に1970億米ドル不足する可能性があり、その場合追加的な財政支出または個人負担額の増加が必要。 
  • 新興諸国における医療費は2020年までの間に、より急速に増加すると予想される 
  • 民間の保険商品には、個人が将来の医療費ニーズにより良く対応することを可能にする、強力なバリュー・プロポジションがある。

スイス・リー・グループは、「医療保障ギャップ:アジア太平洋地域2012」と題した最新の調査で、アジア太平洋地域の医療保障ギャップが、2020年に1,970億米ドルに達する可能性があることを明らかにしました。本調査は、この種の調査として初めてアジア太平洋地域の13の市場(オーストラリア、中国、香港、インド、インドネシア、日本、マレーシア、フィリピン、シンガポール、韓国、タイ、台湾、ベトナム)の医療保障ギャップを取り上げ、比較したものです。

医療保障ギャップ(Health Protection Gap)とは、社会の医療費総額の国内総生産(GDP)に占める割合が一定で推移すると仮定した場合における、消費者のニーズを満たすために必要な医療費の金額と、これら医療費として利用可能な金額の差を表しています。

スイス・リーのビジネス・ディベロップメント、アジア部門ヘッドであるデヴィット・アレクサンダーは次のように述べています。「本調査では、アジア太平洋地域全体にわたる医療保障ギャップを長期的な傾向に焦点を当てて比較しています。この結果、アジア太平洋地域において、さらなる医療保険の開発の必要性が明らかになりました。」

本調査によると、2020年までに医療保障ギャップは中国、インド、日本、韓国において特に大きくなるとされています。

デヴィット・アレクサンダーは次のようにも述べています。「アジア太平洋地域における医療保障ギャップが大幅に異なるのは、各市場の人口および経済規模の両方に差があることが一因となっています。この要素を取り除くため、当社は一人当たりのギャップの算出も行いました。」

より成熟した保険市場があるとされている先進国でも、一人当たりの医療保障ギャップは大きく、少なくともその理由の一つとして、質、量ともにより高い医療サービスへの需要があることを挙げることができます。 

アジア太平洋地域の医療費は2020年までに2兆7000億米ドルに達する

医療費支出の内訳は、アジア太平洋地域の各市場によって異なります1)。2010年には、アジア太平洋地域諸国の半数以上で公的負担額が医療費総額の40%超となり、なかでも日本が83%と最も高い割合の負担額となりました。その他の主な財源は患者負担であり、医療費総額の14%(タイ)から61%(インド)まで幅があります。民間の前払い方式保険が占める割合は、台湾を除く本調査の対象市場のすべてにおいて、医療費総額の10%以下でした(台湾は19%)。アジア太平洋地域の医療費支出総額は、2010年の1兆2,000億米ドルから、2020年には2兆7,000億米ドルに膨れ上がると予想されています。また、日本の医療費支出総額は、2010年の5,217億米ドルから2020年には7,240億米ドルに達するでしょう。

このデータは、調査対象となっているアジア太平洋地域の13の市場における経済成長、医療費の上昇、そして人口の増加予想を基に算出されています。ただし、現時点では医療費がGDPに占める割合が比較的低い新興国市場では、より速いペースでの伸びが見込まれます。

スイス・リーの予測に基づいた、2014年から2020年までのアジア太平洋地域の平均実質GDP成長率は、約5%です。力強い経済成長、とりわけ新興アジア諸国での経済成長が、医療業界に追加需要をもたらすでしょう。

スイス・リーのアジア地域、経済調査・コンサルティング部のヘッドであるクラレンス・ウォンは次のように述べています。「人々や国は、豊かになるにしたがい、健康や医療により多くの資金を費やす傾向にあります。アジア太平洋地域、特に新興国市場における経済成長に伴う家計所得の増加が、健康および医療関連へのさらなる支出につながるでしょう。」

保険業界は医療保障ギャップをより良く管理するための協力が必要に

本調査の対象市場の半分以上では、医療費の増加率がインフレ率を上回っています。これは、医療費の増加へ対応するために、人々が医療サービスへの支出を増やすか、もしくはインフレ率よりも高い利回りとなるように投資を行う必要があるということを意味します。しかし、それはこのような規模では不可能に見えます。

デヴィット・アレクサンダーは次のように述べています。「スイス・リーは、医療保険セクターに対し、保険保障が一般の人々へもたらすメリットについての認識を高めるため、どのように人々に働きかけることが最善となるかを、保険業界と協同して再考することを提案します。アジア太平洋地域全体の医療保障ギャップをより良く管理するためには、新規または既存の販売経路を使って販売できる新商品を開発し、顧客サービスや商品サービスの効率を高めることが不可欠です。」

図表1: 医療保障ギャップの定義

 

図表2: アジア太平洋地域における医療保障ギャップの予測

* CAGR = 年平均成長率

出典: スイス・リーによる予測

注記: 各市場の値は、四捨五入のため、合計値に含まれていないことがあります。

レポート全文をご希望の方は、asia@swissre.comまでお問い合わせ下さい。

調査方法について

データは、国連、国際通貨基金、国家統計局などの様々な公的機関から収集されています。欠測値に関しては、スイス・リーの経済調査・コンサルティング部による推定値を用いています。

本調査では、医療保障ギャップを、(S1)と(S2)の差として測定しています。

(S1)人口の増加、経済成長、医療費の上昇などを考慮した上で算出された、消費者のニーズを満たすのに必要な医療費の水準。

(S2)医療費支出総額が2010年の国内総生産(GDP)に対する割合と同様であると仮定して、社会が負担可能な将来の医療費の金額。(例外として、香港は、2009年医療費のGDPに対する割合を一定であるとして算出)。本調査では、アジア太平洋地域の政府が医療費支出の増加を抑制する努力をするということを前提としています。

 


1) 出典: 世界保健機関、食物及衛生局(香港)、行政院衛生署(台湾)

2012年11月28日

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·            アジア太平洋地域の医療費総額は、毎年2.98.2%の増加が予想され、2020年までに2兆7000億7,240米ドルに達する見込み。