ソルベンシー向上のための効果的ソリューション

ストラクチャード再保険 ― 費用効率の高い自己資本軽減策

スイス・リー ストラクチャード(再)保険ソリューションズ部アジア部門 クリスチャン・ヴェルトリ

クリスチャン・ヴェルトリ

金融危機の最中、保険会社の資本基盤が今年もさらに影響を受ける可能性が出てきています。過去12ヶ月に見られたように、将来の予測がほぼ不可能となり、各社がバランスシート保護に注力し、あるいはその計画を検討しているのが現状です。

その上、保険会社にとっては今後数年間でより一層の資本増強が必要とされます。監督当局や格付け機関からの要求を満たすため、また株主および投資家の利益確保や新規ビジネス引受けのための十分なソルベンシー確保など、資本増強の必要性がますます高まっているからです。

資金源不足の現状

保険会社にとって新たな資本増強のための施策はさまざまです。新株発行は一つの手段ですが株主持分の希薄化につながります。Tier 2 の資本に有余キャパシティーがあれば、ハイブリッド資本証券や劣後債の発行によって資本調達が可能ですが、現時点では非常に高くついてしまいます。

他の選択肢としては資産の整理・現金化もありますが、現在のマーケット状況においては好ましいとはいえません。単に引受け量を減らすということも考えられますが、あえてマーケットシェアを失う選択をする企業は少ないでしょう。

魅力的な資本の供給元としての再保険

再保険は、保険会社にとってこれらの選択肢に代わる非常に効率的な代替手段を提供します。再保険には次のようなメリットがあります。

•         株主割当増資や劣後債発行に比べ、迅速かつ容易に手配が可能である

•         保険業セクターでの信用スプレッドの広がりを受け、資本市場からの調達に比べ費用効率がよい

•         株主持分を希薄化することなく自己資本増強効果が得られる

•         財務比率への悪影響が最小限

•         資本基盤を改善することで、格付け機関や監督庁からの要求に応える

また、再保険はリスク移転を可能にし、リスク・マネジメントの強化ができます。 不測の事態による収益の変動を軽減し、金融危機による市場混乱にあって企業の信頼性強化にもつながります。

自己資本増強の手段としての再保険にはまず、一年ベースの伝統的な比例再保険があります。比例再保険では出再された割合に応じて保険と市場のリスクを減少させることができ、それによりソルベンシー資本が解放されることになります。

お客様のニーズに応じた再保険のカスタムソリューション

今回の金融危機により、現在弊社は、お客様よりカスタマイズされた再保険へのご関心をいただいています。スイス・リーでは、リスク移転と資本のニーズに応じて専門チームがお客様と相談の上、個別にソリューションを提供しており、現在伝統的な再保険を補完する重要な解決手法となっています。

リスク査定とリスクモデリング技術の向上は、特にリスク・ベースのソルベンシーフレームワーク/ソルベンシーIIに準拠している保険会社にとって、エクスポージャーと損害の確率計算に大きな進歩をもたらしました。これにより、より精度の高いリスク・ベースの資本計算が可能となり、ソルベンシーII要件、信用格付基準、リスクモデル要件など他のステークホルダーの要件を満たすためにも活用できるようになりました。

例えば、スイス・リーは、損害保険会社のその保険事業全てに関するリスクをモデル化し、事業体のリスク許容度や、または監督庁や格付け機関に要求されるリスク・ベースの資本を指標化するサービスを提供します。その上でこれらのリスク・ベース自己資本の指標を達成するためのカスタマイズされた再保険をご提案します。この例での再保険カバーでは、元受保険事業における一定の損害率を超過する部分に対し、一定限度のカバーを提供しますが、期間リスク分散や潜在的利益の共有などを加えることも可能です。これらの再保険カバーは、一年ベース、複数年ベースでご提供しています。

また、生命保険会社には、エンべデッド・バリュー(例えば、投資リンク商品または定期保険商品などを活用)の一部を、生命保険会社の規制上の自己資本に前倒しして活用できるような商品も提供しています。この自己資本は、翌年度以降にそのビジネスから得られる利益によって償還されることとなります。

スイス・リーが提供するソリューションは以下のとおりです。

重要な役割を担う再保険

2010 年はまだマーケットの先行きが不透明な状況が続くことはほぼ確実です。金融危機は今後も保険会社のバランスシートの資産と負債両方に影響を与えると考えられ、さらなるネガティブショックが起こる可能性も否定できません。

この困難な時期に資金調達することを避けるためには、保険会社は資産側のリスクを軽減する必要があります。負債側でのリスク軽減では、引受リスク量の減少が再保険の需要を高めることになるでしょう。これらは損害保険会社が厳正な引受業務と収益性重視へと焦点を再び定める原動力となります。また、生命保険会社も、資本の制約に対応し、ソルベンシー比率を上げるために再保険の一層の活用を検討する可能性もあります。

再保険は伝統的再保険、カスタマイズされた再保険いずれにおいても、今後12~24ヶ月は重要な役割を担っていくことでしょう。


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