過去10年間で死亡保障ギャップが急増 - 日本は推計8.4兆米ドル、アジア太平洋地域全域で総額41兆米ドルに

スイス・リーは、「死亡保障ギャップ:アジア太平洋地域 2011」と題する調査レポートを発表しました。この調査によると、アジア12カ国の死亡保障ギャップの合計は2000年の16兆米ドルから2010年には41兆米ドルへと急増し、年平均伸び率は10%にのぼっています。(図表1参照)。日本でも、同期間の死亡保障ギャップは6.2兆米ドルから8.4兆米ドルへと拡大しました。 本調査は、この種の調査として初めてアジア太平洋地域の複数の市場を取り上げています。   

スイス・リーのアジア地域担当ビジネス・デベロップメントを率いるデビッド・アレクサンダーは次のように述べています。「調査対象となったすべての市場で大きな死亡保障ギャップが存在しています。なかでも、中国、日本、インド、韓国は深刻です。

スイス・リーは、一家の大黒柱は一般に年収の10倍相当の生命保険に加入するべきだと考えています。稼ぎ手に突然もしもことがあった場合、現在の生命保険の保障額では家族の生活を守るには到底足りません。本調査で明らかになった生命保険の保障ギャップは、今日の保険業界にとって大きなチャンスといえます。このギャップにより保険業界にもたらされる潜在的保険料はおよそ1240億米ドルに達します」

先進国、新興市場ともに目立つ大きな死亡保障ギャップ

必要保障額を保険や貯蓄でまかなえない場合、死亡保障ギャップが発生します(図表2参照)。例えば、2010年の日本において、必要保障額100米ドルについて貯蓄と保険でカバーされているのはわずか41.5米ドルであり、そのギャップは58.5米ドルにものぼっています。

この調査では、扶養家族を抱える勤労者1人当たりの保障ギャップも算出しました(図表3参照)。保険市場の成熟化が進んだ先進国では、扶養家族のいる勤労者当たりの保障ギャップはかなりの額に上っていますが、これは高収入と生活費の高さも一因となっています。

生命保険のニーズに対応

アジア太平洋地域の経済成長に伴い、生命保険による保障の必要性は一段と高まる見込みです。今回の調査は、こうしたニーズを把握したうえで一般に生命保険について啓発または支援する最適な方法を再検討するよう生命保険セクターに呼びかけています。

グローバル部門の顧客管理責任者ポール・ターナーは次のように述べています。「中国やインドなど人口の多い市場では大きな保障ギャップによる大幅な成長の機会が見込まれていますが、成功するには魅力的な商品の開発と効率的で効果的な販売ルートが不可欠です。しかし、これは容易なことではありません。

日本やオーストラリアなど、より成熟した市場では成長の可能性は限られているかもしれませんが、勤労者1人当たりの保障ギャップは大きく、これがすでに富裕層を対象にした保険商品開発の牽引役となっています」 

消費者が抱くイメージを変える:手が届く生命保険

アジア太平洋地域における保障ギャップの状況は、スイス・リーが今年4月から5月にかけて実施した「リスク選好と保険:アジア太平洋2011」の結果とも一致しています。

この調査によると、早死などもしもの場合には、家族が経済的に苦労するかもしれないと答えた回答者が40%に上りました。保険が保障の手段として重要なことは広く認められていますが、多くのアジア市場では純粋な生命保険商品への加入は依然として低水準に留まっています。

この調査はまた、保険への加入を阻んでいる主な要因として、コストと手元資金の不足の2つを挙げています。このように生命保険は割高という見方はある反面、純粋な生命保険商品に市場価格か市場価格以上の価格で加入してもよいとする回答者が半数以上にのぼりました。

ターナーは、「生命保険業界は消費者が抱いているイメージのギャップをチャンスとして捉え、例えば保険のコストと1日一杯のコーヒーの値段と比較するなどして、純粋な生命保険の相対的なコストと価値について消費者に明確に説明すべきです」とつけ加えています。

図表1: 死亡保障ギャップ


図表2:死亡保障ギャップ‐必要な資金vs利用できる資金

 

図表3: 扶養家族のいる勤労者当たりの死亡保障ギャップ


本調査について

本調査では死亡保障ギャップの簡易定義を使用しており、扶養家族を持つ労働人口の保障不足額のみを対象としています。この不足額は、労働者1人の扶養家族が生活水準を維持するのに必要な収入と、一家の大黒柱の死亡後に利用できる貯蓄や生命保険金の総額との差を表しています。

報道関係者のご要望に応じて調査の全文を提供しています(asia@swissre.com)。

「スイス・リーのリスク許容度と保険に関する調査:アジア太平洋2011

この調査は今年の4月から5月にかけて、アジア太平洋地域の先進国(オーストラリア、香港、日本、シンガポール、韓国、台湾)と新興国(中国、インド、インドネシア、マレーシア、ベトナム)の計11ヵ国の20‐40才の13800人を対象に実施されました。2011年7月28日付のニュースリリースをご覧ください。

2011年9月