東北に想いを馳せる

東日本大震災から5年。スイス再保険会社日本支店の日本における代表者であるスティーブ・アローラと、損害再保険部クライアントマーケット・ヘッドの百々敦浩が、この悲劇的災害で犠牲を払った人々および保険に想いを馳せました。

2011年の東日本大震災は、私たちの誰にも予想できなかったものでした。当時、家屋喪失や多数の方々が犠牲となる状況に私たちは大変な衝撃を受けました。しかし、同時に私たちは日本人の本当の精神を目の当たりにすることになったのです。「私たちはその後現在に至るまで、復興に向け、たゆまぬ努力を積み重ねられた被災地域の方々、そしてそうした努力を各方面から支援されてきた方々に対し、心から敬意を表します。多くの人々が被災を乗り越える一歩を踏み出し、一時は停滞した地域活動も、ようやく活気を取り戻せる状況となってきました。5年の節目を迎える今、被災された地域に対しこれからも保険業界からどのような貢献が可能であるかと自分たち自身に問いかけています。業界をけん引する立場にある弊社にはお客さまに提供すべき価値があり、これからも社会の回復力強化に貢献していく必要があると強く感じています」とアローラは述べています。

過少保険のギャップを埋める

リスクに対する認識は、震災以降高まりをみせています。2010年度から14年度の5年間で、日本の火災保険の保険料収入は年率6%の高い伸びを記録しました。財物保険の普及率は、10~11年度の対GDP比率0.26%から14~15年度は0.31%に上昇しました。

ただ、普及率こそ上昇したものの、財物に対する保険の付保には、いまだに大きなギャップがあります。弊社の最近の調査によると、日本の財物リスクの補償ギャップは世界最大規模の410億米ドルに上ると推定され、その過半、47%が地震リスクに対する補償ギャップです。こうした日本の財物リスクに対する補償ギャップは、2014年度に日本の損害保険会社が引き受けた財物保険料収入の2倍以上でした。

百々は次のように述べています。「今後起こり得る災害に向けて、弊社はこうした補償ギャップを埋める活動が重要であり、私たちのお客さまを含むステークホルダーと共同で、そうした活動に取り組んでいくことが、災害後の復興を推進する鍵となると考えています」

日本へのコミットメント

東日本大震災が発生し、その影響や社会の動揺が続く中、私たちはお客さまと共に、被災された方々への迅速な保険金のお支払い、ならびに安定的かつ切れ目のないサービスを提供し続けることを、まず優先いたしました。

アローラは次のように話しています。「弊社の日本市場への姿勢、コミットメントは今日も変わりません。弊社は、弊社の主題課題の中心に、私たちのお客さま、そしてその先にある社会への保険サービスを通じた関わりを見据えています。これは大切な命や普段の生活を守ると同時に、地域コミュニティーの復旧、復興、発展を支援することです。弊社の日本市場へのコミットメント、さらには私たちのお客さまとの協力を通した相乗効果により、災害から復興する力を強くすることに少しでも貢献できればと思っております」

保険への教訓

弊社は震災後も引き続きお客さまへのサービス拡充に取り組んでおります。百々は次のように述べています。「11年の地震は、想定外のマグニチュードの規模やそれを可能にした広範な震源域だけでなく、津波や液状化現象、その後に頻発した余震現象についても、科学者やモデル、保険業界の常識を覆しました。弊社リスクモデルの更新に際し、大規模地震後のこうした余震現象のモデル化、ならびに津波シミュレーションモデルの開発と引受料率にそれを反映させています」

もう一つの課題は、過少保険に起因する補償ギャップを埋めることです。この方策として、百々は以下の2つの点について協調と革新的な発想が必要であるとしています。

  1. リスク意識を高める文化を醸成する - 自然災害だけでなく把握することが非常に難しいテロリズム、サイバーリスク、サプライチェーンリスクなどについても、的確な情報を集積し、リスク分析ツールを向上させていく必要があります。

  2. 保険による安心を提供する - ひとたび的確なリスク認識ができると、消費者・被保険者はその将来的な影響の可能性を考慮し、保険の購入に関する意思決定が行いやすくなります。保険業界のさらなる革新が、リスク軽減活動への助言のみならず、より持続可能な価格、キャパシティー、そして効率的な保険による社会への貢献につながっていくことを願ってやみません。


対話を続ける

アローラは弊社の今後について、このギャップの縮小を図るためのソリューションとして、お客さまや政府との連携による努力が必要であるとし、次のように話しています。

「弊社は常に社会の未来の一翼を担いたいと考えています。健やかで安全な生活を誰でも送ることができる環境に向けて、弊社は少しでも協力していきたいと願っています。今後も私たちのお客さまやパートナーの皆さまとの対話を通じて、この複雑かつ変貌を遂げる世界に一つ一つ対応し、保険をもっと身近な存在に高めていければと思います。"Smarter together" -- 力を合わせて、この世界の回復力をもっともっと高める。弊社は日本市場にコミットし、私たちのお客さまに、より安定的かつより革新的なサービスを提供できるよう、全力で取り組み続けてまいります」

2016年3月


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